【ピアノ初心者向け】メトロノームの使い方と効果的な練習方法を徹底解説!

「ピアノの練習、なかなか思うように進まない…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。ピアノ上達のカギを握るアイテムの一つが「メトロノーム」です。メトロノームを使うことで、リズム感が養われ、正確な演奏へと近づきます。この記事では、ピアノ初心者の方でも分かりやすく、メトロノームの使い方から、効果的な練習方法までを詳しく解説します。メトロノームを正しく使いこなして、ピアノ演奏のレベルアップを目指しましょう!

メトロノームを効果的に使うための基礎知識

ピアノ練習において、メトロノームは正確なリズム感を養うための必須アイテムです。しかし、ただ単にメトロノームを鳴らしながら弾くだけでは、十分な効果は得られません。この章では、メトロノームを効果的に使うための基礎知識を解説します。

メトロノームの使い方とその重要性を解説

メトロノームは音楽やピアノ演奏に欠かせません。特に、初心者にとっては、リズムを維持するための強力な助けとなります。メトロノームの使い方はとてもシンプルです。まず、適切なテンポを設定します。例えば、ピアノの楽譜には、メトロノームの数字が書かれていたり、Allegroや Moderatoなどの音楽記号が書かれています。いきなりそのテンポで弾けたら理想ではありますが、ほとんどの場合はそのテンポで弾くことは難しいと思います。そういうときはもっともっとゆっくりのテンポに設定してみましょう。ゆっくりなテンポで弾けるようになったら一目盛ずつテンポを上げていきます。
メトロノームはスマホのアプリや、電子のものもありますが、昔ながらの振り子のメトロノームの方が視覚からもテンポを刻むことができるので、楽に合わせられます。
メトロノームを使うことによって、音楽の拍子感を養い、リズム感を向上させることができます。定期的な練習によって、リズムを感じる力が鍛えられ、演奏がよりスムーズになります。リズムを徹底的に理解することが、ピアノ演奏の基礎となります。

ピアノ初心者が知るべきメトロノームの効果

メトロノームを使う効果は、ピアノ初心者の方にとって非常に大きいです。まず、リズム感を身につけることができるため、曲を弾く際の基礎を固めることができます。また、演奏時にテンポのバラつきが出ることを防ぎ、テンポを一定に保つ能力を養うことができる点も特徴です。そして、初めは難しいと感じたリズムも、しばらくの練習を経て習得できるようになります。メトロノームは、ピアノだけでなく、音楽のすべてのジャンルでスキルを磨く手助けもしてくれます。

メトロノーム合わせでピアノ上達のための心構え

メトロノームを使ったピアノの練習では心構えが演奏スキルを向上させるために重要です。メトロノームの存在を単なる「拍を得るための道具」として捉えるのではなく、演奏をより深く理解し、楽しむための手段として位置づけることが大事です。また、リズムやテンポを習得する過程は、一朝一夕に結果が出るものではないので、根気強さを持って取り組む姿勢が求められます。そのため、特にお子さんの場合、メトロノーム練習が嫌になってしまうことが多いですが、「メトロノーム練習を頑張ったら上手になるんだ」と、練習を頑張りリズム感やテンポを保つことができる自分を想像することが必要です。

 お子さんがメトロノーム練習をしていなかったら、ご両親も声掛けをしてみてください。先生は週に一度のレッスン時にしかメトロノーム練習を促せず、日々継続することができなくなるからです。また、メトロノームの音が気になる場合は、数分間その音に意識を集中させる時間を設け、慣れることから始めてみましょう。自然と自分の演奏とメトロノームのリズムを一致させる感覚が養われます。

 この心構えができれば、無理に早く弾くのではなく、しっかりとしたリズム感を意識して、自然に演奏を楽しむことができるようになります。このように意識改革することで、音楽的な表現力を高めることができます。

メトロノームの目盛りはどうやって使うのか?

メトロノームには、様々な目盛りがついていますが、どのように使うのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。目盛りの意味や、テンポ設定の方法について詳しく解説します。メトロノームの目盛りは一見複雑に感じるかもしれませんが、実際は非常にシンプルです。数字は通常、1分間の拍数を表現しています。例えば、「120」と設定すれば、1分間に120拍ということです。したがって、四分音符の場合、1拍は0.5秒となります。目盛りはメトロノームの振り子の動きに合わせて、意識的に音を出す感覚を掴むのです。具体的には、始めは「60」くらいのゆっくりとした拍子で練習し、テンポに自信がつけば、次第に速いテンポに挑戦していきます。ただ、「60」でも速いと感じる場合はもっと遅いテンポから始めてみましょう。

メトロノームを使った効率的な練習方法

メトロノームを使った効率的な練習方法をいくつかご紹介します。これらの練習方法を実践することで、より効果的にピアノのスキルアップを目指せます。

メトロノーム練習で聴くべきポイントとは何か

メトロノームの音を聞きながら練習する際、どこを意識すれば良いのでしょうか。聴くべきポイントを押さえることで、より効果的な練習ができます。
メトロノームを用いた練習時に聴くべきポイントはリズム(=拍子)とテンポ(=速さ)の2つです。
まず、リズム感を養うためには、メトロノームの音をしっかり聴くことが肝心です。そのリズムに対して自分の演奏がどのように反応しているかを考えることで、正確なタイミングを意識できるようになります。また、演奏の際に拍子を感じることも重要です。

拍子を感じるというのは、3拍子の曲なら楽譜を見ていない人が聴いても3拍子に聞こえるように、4拍子の曲なら4拍子に聴こえるように演奏するということです。

次に、テンポについては、自分が設定した速度を守りつつ、難しいと感じる部分では少しテンポを落として練習することをお勧めします。無理に速く弾こうとせず、丁寧に弾くことで、メトロノームとの連携が深まります。私は、お子さんには「メトロノームとお友達になろう」と声かけしています。しっかりとリズム感を養うことで、結果的に演奏のクオリティも向上するので、メトロノームで練習した後の結果を信じて根気強く頑張って欲しいです。

ここまでメトロノームの重要性や合わせ方等お話しましたが、楽譜を見るとテンポ表記がたくさんあるかと思います。rit.はだんだん遅く、accelerandoはだんだん速く、など途中でテンポが変わるところはメトロノームで合わせられません。

弾けるようになるまではテンポ表記は無視してメトロノームで合わせるようにしましょう。

メトロノームのテンポ設定がずれる原因とは

メトロノームのテンポ設定がずれる原因はいくつかありますが、よくあるのが「自分の演奏がメトロノームと合わない」という悩みです。この現象は、演奏者の意識と実際のスピードとのずれに起因することが多いです。例えば、緊張したり焦ってしまうと、どうしても速く弾いてしまうことがあります。また、曲の部分によってはリズムが複雑になり、自然とテンポが不安定になりがちです。この場合、メトロノームのテンポを上げてしまいがちですが、まずはゆっくりとしたテンポで練習するのが重要です。ゆっくり弾けるようになれば速いテンポでも弾けるようになります。正しいテンポで演奏できるようになると、より自信を持って弾けるようになります。

テンポ60とテンポ70の違いを理解する

テンポ60とテンポ70の違いは、一見すると小さいように思えますが、演奏に与える影響大きいです。テンポ60では1分間に60拍、すなわち1拍が1秒の長さで、ゆったりした曲やバラードに適しています。一方、テンポ70に設定すると、1分間に70拍、すなわち1拍が約0.86秒になります。このように、テンポを10上げただけで、演奏の速さに大きな変化があります。ゆっくりとしたテンポの曲では、音楽の深さや情感を表現することができるため、焦ることなくじっくりと音楽を楽しむことができます。逆に、テンポ70にすることで、リズムのアクティビティが活発になり、弾ける楽器としての迫力が増すのです。各テンポごとの特性を理解することで、演奏の目的に応じた選び方ができるようになりますので、ぜひ意識してみてください。

木辻朱音

ピアノを中畠由美子、中島昌子、北川正、矢野裕子、楊麗貞の各氏に師事し、ソルフェージュを鈴木しのぶ、上田真樹の各氏に師事。
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業後、子供から大人まで幅広く指導を行うピアニスト

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