アムランのコンサートに行ってきました!

こんにちは!フリーオピアノ教室の木辻󠄀朱音です。6/4(火)にシャルル・リシャール=アムランのコンサートに行きましたので、感想を共有できればと思います。ちなみにアムランは2015年のショパン国際ピアノコンクールで2位とベストソナタ賞を受賞したカナダのピアニストです。私が大好きなピアニストの一人です。

プログラム順に演奏の感想をまとめたいと思います!前半はモーツァルトとブラームスで後半はショパンの作品でした。

モーツァルトロンドイ短調
こちらはロンドニ長調と併せて演奏される事が大変多いです。
大曲ではなく、小品で小学校高学年のコンクールの課題曲になるような曲です。音が少なくて単純な曲を音楽的に作り上げることは大変難しく、私自身が弾くためにも、また生徒さんに指導するためにも、今回演奏を聴くことができて大変勉強になりました!

ブラームス6つの小品op.118
私は手が小さいため、ブラームスは手が届かないことが多く、恥ずかしながらブラームスはあまり弾いてきていませんでした。ブラームスに明るくない私ですが、本当に感動しました!アムランは曲間の絶妙な空気を作り出すことに長けていて、その空気を壊さないように私は聴いていました。特に今回のブラームスと後に書かせていただくワルツはその空気が素晴らしかったです。

演奏会用アレグロイ長調
ピアノコンチェルト3番として着手したものをピアノ独奏曲として書き直した作品であると言われています。この曲は非常に技巧的に難易度が高いです。その理由はオーケストラとピアノソロの二つを一人の手で弾かないといけないからです。アムランはオーケストラとピアノソロをしっかり弾き分けられており、聴き手にもそれが伝わる演奏で大変素晴らしかったです。

ワルツ(4~14番)
曲順は①14番ホ短調→②3番イ短調→③4番ヘ長調→④12番ヘ短調→⑤6番変ニ長調→⑥7番嬰ハ短調→⑦8番変イ長調→⑧5番変イ長調と続いており、初めてプログラムを見た時に、どうしてこの順番で演奏するのかしばらく考えました。通常はこのような順番ではなく、番号が若い順に弾くことが多いからです。
私が思うに、初めの14番ホ短調は演奏効果が高く、つまり一般的には「カッコいい曲」なので最初に持ってきていると思います。次の②→③→④→⑤→⑥→⑦→⑧は自然な流れです。②は①の下属調、②→③は繋げて弾くことが多く、④は③の同主調になっており、⑥~⑧はop.64で同じ作品になるので続けて演奏するのが普通だからです。
最後の⑦→⑧の繋ぎ方が特に印象的でした。というのも、8番からの繋がりを大切にしたかったのか、8番の最後の和音がなく5番へつながったため、まるで8番と5番が1曲に聴こえるかのような演奏でした。。。
アムランのワルツは今まで生で聴いたことがなかったのでとても新鮮でした。特にワルツは生徒さんが弾く事が多い曲なので、今回のコンサートの演奏の仕方や繋げ方がとても勉強になりました。

ロンドニ長調と月光ソナタの3楽章
アンコールはこの2曲でした!モーツァルトのロンドニ長調は最初にお話した通り、イ短調と併せて演奏される曲です。この曲は私が小学校高学年の時にコンクールのために練習していました。当時も沢山研究し、レッスンでも教わりました。ですが、今回のコンサートで新たな発見がとても多かったため、なぜか違う曲?に聴こえました。今からまた研究したいと思う曲になりました。
月光ソナタの3楽章はベートーヴェンの中期のソナタなので曲としてはまだ充実していない、つまり若いころに作られたため曲に面白みが少ないとよく言われますが、アムランの演奏はそれを感じさせず、大変面白く演奏されていました。何より男性らしい演奏で私にはなかなか真似できないと思いました……

以上アムランのコンサートを聴きに行った感想でした。日本にもよく来日されているので、ご興味のある方は是非是非聴きに行ってみてください!

木辻朱音

ピアノを中畠由美子、中島昌子、北川正、矢野裕子、楊麗貞の各氏に師事し、ソルフェージュを鈴木しのぶ、上田真樹の各氏に師事。
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業後、子供から大人まで幅広く指導を行うピアニスト

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