音大受験を成功に導くポイントを解説します!

音大受験を考えている皆さん、受験対策や準備期間について悩んでいませんか?音楽大学に進学するための道のりは、自己表現の場を得るだけでなく、技術を磨くためにも非常に重要です。しかし、いつから準備を始めるべきか、どのくらいの時間を練習に割けば良いのかといった疑問に直面することも多いでしょう。受験勉強は、技術や知識を深めるだけでなく、志望校や専門分野に特化した対策が必要です。本記事では、音大受験対策の準備期間に焦点を当て、スタート時期や必要な練習時間の目安、使用するべき教材や勉強方法まで幅広く紹介します。音楽大学の受験は、決して簡単ではないですが、適切な情報と準備を整えることで、成功への道は確実に近づきます。さあ、一緒に音大受験の準備を整え、理想の未来へ船出しましょう!

音大受験に合格するための心構え

音大受験に合格するためには、日々の取り組みに加え、心構えが非常に重要です。まず、自分がどういう演奏をしたいのかを明確にすることが必要です。そのため、演奏における目標を持ち続け、自分自身をしっかり見つめ直すことが肝心です。
次に本番を重ねていくことがとても大切です。失敗を恐れず、音楽の楽しさや大きいホールで普段自宅では弾けないピアノを弾ける幸せを感じ続けることが成功につながります。
最後に自己評価を適切に行い、自分の恩師やコンクールに出場するなら審査員の先生の意見を取り入れたり、客観的に自分の演奏を聴くことで成長できると思います。自分の夢に向かって努力を続ける姿勢が、試験で実力を引き出す助けになります。

音大受験を受けるときに必須になる科目

私はピアノ専攻卒なので、ピアノ専攻を中心に例に挙げてお話いたしますと、音大受験の必須科目は次の4つございます。

  • 専攻科目
  • ソルフェージュ
    • 聴音
    • 新曲視唱
    • ピアノの初見演奏(藝大)
  • 楽典
  • 副科ピアノ(ピアノ科以外)

どれも基礎的な音楽能力を測るために非常に重要な科目です。つまり耳がどれほど敏感か、音楽の理論にどれだけ精通しているかを問われるため、しっかりとした対策が必要です。ソルフェージュを学ぶことで、曲の理解が深まり、演奏にも良い影響を与えます。一音一音の捉え方が向上し、表現力も増します。音大受験において、ほとんどの音大ではピアノの実技が求められます。ピアノ科じゃないのにと思うかもしれませんが、特に音楽理論や楽典を学ぶ上で、ピアノはたいていの受験生にとって重要な役割を果たす楽器です。専攻により要求されるピアノ演奏のレベルは異なるものの、ピアノができることで、専攻科目に生きることがほとんどです。自分の受験科目に応じて準備を整え、必要なスキルを身に付けることで、より幅広い音楽の理解が可能になります。

音大受験に向けた勉強のスタート時期

藝大、桐朋受験に向けた勉強は、一般的には高校1年生から始めるのがおすすめです。特に自分の専攻する楽器や音楽の知識が必要なため、早く始めるほど間に合うことが多いです。高校3年生になってから本格的に始める受験生もいますが、基礎的な準備が不十分だと不安になります。早い時期から音楽理論や楽典を学ぶことで受験直前の焦りを減らすことができたり、練習時間も確保できてレッスンで先生に相談する時間も持てたりするため、質の高い受験対策ができます。音高受験を考えている場合には、中学1年生から始めるのがおすすめです。

音大に合格するためのスケジュール

現在の状況や音高に入学しているかなど人によっても違うと思いますので、ここでは私が音高や桐朋学園大学を受験したときの実体験を記載したいと思います。

専攻科目の入試対策

小学生の頃から練習曲はハノン、ツェルニー、グラマービューロー、モシュコフスキ、ショパン。バロックはバッハのインヴェンション、シンフォニア、平均律、古典派はベートーヴェンのソナタなど受験対策とは言いませんが、小さい頃からやるべき曲は弾いていました。その他にロマン派の曲を弾いていました。とくに藝高、藝大、桐朋の入試は毎年課題曲が変わるので、過去の出題傾向も参考にはなりますが、幅広く練習することが大切です。(弾いたことのある曲が出題されたらラッキーですが・・・)入試の課題曲が発表されたら、譜読みから始めます。課題曲は何曲か選べるので、先生にどの曲がいいか選んでいただくとよいでしょう。

ソルフェージュや楽典の入試対策

ソルフェージュや楽典は音高・音大受験を考える前の小学生のときから勉強し始めました。理由としては楽典やソルフェージュを習っているかどうかで演奏が大きく変わるからです。音高受験を考えだした中学1年生から受験対策を行いました。中学2年生の夏に初めて桐朋の夏期講習を受講しましたが、あまりにも試験が難しく、クラス分けでは一番下のクラスでした。当時は落ち込みましたが、その後過去問をしっかり解くことの大切さを学びました。定期的に過去問を解くことで、自分の実力を確認し、自分は何が得意で不得意なのか明確にわかるので、必要な改善を行うことができます。私の場合は、聴音のコツがなかなか掴めず苦労しましたが、レッスンで力を入れていただいたり、自宅で毎日聴音や楽典の問題を工夫しながら解きました。その結果、一年後の夏期講習で真ん中のクラスに入れました。高校から桐朋は考えていなかったので、都立総合芸術高校に進学しましたが、授業やレッスン、自宅での特訓の結果、桐朋大学に合格でき、クラス分けでも一番上のクラスに入ることができました。

自分に合った勉強法を見つけるためのポイント

効率よく学ぶためには、自分に合った勉強法を見つけることが重要です。音楽に興味を持てる方法や自分が楽しいと思える方法を見つけると学習が長続きします。例えば、楽典やソルフェージュの場合、音楽を聴きながら学ぶことで、実際の音楽と学びを結びつけられます。ただ教本や問題集だけを進めると嫌になる方も多いと思います。そういうとき、自分が弾いている曲を分析すると楽典も学べて、曲の理解も深まるので一石二鳥です。ただ、楽曲分析はとても難しいので先生に教わりながら進めるのをお勧めいたします。自分のスタイルに合った方法を見つけ、楽しみながら楽典の勉強を進めていくことが、受験の成功に繋がります。

音大受験を決意した時の親のサポートの重要性

音大受験を目指すと決意したとき、親からのサポートは非常に大切です。音大受験に対する理解や、必要な環境が整っているかどうかは、受験生の精神的な面にも影響を与えます。親が積極的にサポートすることで、受験生はより安心して勉強や練習に励むことができるでしょう。また、励ましの言葉をかけるだけでなく、一緒にレッスンやコンサートを観に行くことも、音楽に対する理解を受験生と一緒に深めることができます。親の応援があることで、壁にぶつかった時期などうまく行かない時期を乗り越える力になります。私の場合は、母親のサポートが大きな力になりました。先生の自宅が遠かったので、送り迎えやレッスンにも同席して内容を楽譜にメモしてくれたり、自宅での練習のサポート、ソルフェージュや楽典が苦手な私に最適な教材を探してくれました。他にもありますが、親がサポートすることで受験生自身も安心できるかと思います。

音大受験生におすすめの楽典問題集

楽典は音楽大学の入試において重要な科目ですが、どの問題集を選べば良いか悩む方も多いと思います。おすすめは、わかりやすい解説がある「楽典 音楽家を志す人のための」や、問題量の多い「パーフェクト楽典・問題集」です。この二つの本は音楽の基礎を徹底的に学べる内容となっています。また、試験対策に特化した問題集もありますので、自分のレベルに応じて選ぶことが大切です。定期的に解くことで、自分の弱点を見つけ、苦手を克服していくことが可能です。詳しくは以下で解説しているのでご興味あればご覧ください。

木辻朱音

ピアノを中畠由美子、中島昌子、北川正、矢野裕子、楊麗貞の各氏に師事し、ソルフェージュを鈴木しのぶ、上田真樹の各氏に師事。
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業後、子供から大人まで幅広く指導を行うピアニスト

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